市販品より塩分を控えめにアレンジできる、やさしい手作りのゆかりふりかけ。ご飯やおにぎりはもちろん、野菜やパスタにも使える、あると便利な万能常備菜。

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🌿 夏の台所から|コラム
我が家では、梅干しを仕込む時期より少し遅れて、やっと赤紫蘇が収穫できる。
だから梅干しには紫蘇を加えず、塩と梅だけのシンプルな仕込みにしている。
もちろん、ゆかりも別に作る。
そのほうが減塩にもアレンジできるし、手仕事の楽しみもある。
梅仕事に続いて、ゆかり作りもまた静かな瞑想タイム。
紫蘇を摘み、洗い、乾かす。
塩もみしてアクを取り、もう一度、丁寧に揉む。
作業の合間には小休止をはさみ、焦らず、のんびりと進める。
できあがったばかりの梅チャイシロップの水割りを片手に、扇風機の風にあたる。
夏の香りと手仕事の充実感が、風とともにすーっと心に染み渡る。
赤紫に染まった紫蘇は、晴れた日にお皿に広げてカラッと干す。
まだ湿気の少ない太陽が高いうちに取り込み、パリパリ、ザクザクと潰し始める。
軽やかな音が心地いい。
ちょうど布団を取り込む時間くらい。
真夏の光に感謝しながら、手を止めて深呼吸する。
──ああ、夏がまだここにある。

🧺 このレシピの特徴
- 手作りで無添加+塩分を調節できるゆかりふりかけ
- ひとふりで食卓に彩りをプラス
- ヴィーガン・ベジタリアン対応ふりかけ
- おにぎり・混ぜご飯・パスタ・うどん・サラダなどにも
🍙 材料(作りやすい分量)
- 赤じその葉 … 75~100g(洗って水気を切り、乾かしてから計量する)
※これくらいが発色もしやすく、扱いやすい最小量 - 塩 … 葉の重さの10%
- 梅酢 … 葉25gにつき大さじ1

🥣 作り方
赤シソを洗って乾かし、塩もみして半日。一晩置いたら、翌日は乾燥。
色と香りと遊ぶ、約二日間の夏の手仕事。

- 洗う。
- 赤しそを茎ごとたっぷりの水で、揺するようにして洗う
- 水気をしっかり切る
🌿 茎を持ってワシャワシャと降ると水気が一気に落ち、気分もいい。

- 乾かす。
- 茎から葉を取り、皿やザルに並べる。
- 風通しのよい場所で乾かす。
🌿 完全にパリパリではなく、少ししっとり残るくらいが揉みやすい。

- 測る
- 乾いた葉を量り、その10%の塩を用意する。
🌿 計量は必ず「乾かした後」の葉で。

- 塩をまぶす
- 赤しそに半量の塩を振り、雪化粧のようにまぶす
- 30分ほど置いて、水分が出るのを待つ

- 揉み始める
- 葉がしっとりしたら、黒っぽい汁が出るまで揉む
🌿 「押し出すように」揉むと香りと色がよく出る。

- 水切り
- 赤シソをしっかりと絞り、出てきた汁を捨てる

- 2回目の塩もみ
- 残りの塩を加えて再度揉む
- 汁が出てきたら赤シソをしっかりと絞り、もう一度捨てる
🌿 1回目は色を出す、2回目は香りを引き出すイメージで。

- 梅酢を加える
- 赤しそ25gに対して梅酢 大さじ1を加える
- 全体に梅酢が行き渡るようにやさしく揉む

- 一晩おく
- 全体が鮮やかに発色したら、保存容器などに入れて冷蔵庫で一晩置く

- 皿に並べる
- 翌日、葉をできるだけ広げて、皿やザルに重ならないように並べる

- 乾燥
- 天日または風通しのよい日陰でパリッとするまで干す
🌿 半乾きだと保存性が落ちるので、しっかりと乾燥させる
🌿 天日に干すと昔ながらの風合いに、日陰干しなら香り・色がやさしく残る
🌿 天気が悪いときは、風通しのよい室内やオーブン・トースターの最低温(80℃前後で数分+余熱)でも。 焦げないように様子を見ながら

- 仕上げ
- 乾いた赤しそを瓶に移し、麺棒などで砕く
- 香り高い赤しそふりかけの完成

🪄 使い方 & アレンジ
- おにぎり:シンプルな塩むすび代わりに。
- 混ぜご飯:炊きたてご飯に混ぜるだけ。
- パスタ:オリーブオイルと合わせて和風ペペロンチーノ風に。
- きゅうり和え:薄切りきゅうりと和えて浅漬け風に。
- 長芋やじゃがいも:長芋の短冊や蒸かしたじゃがいもに振りかけて。
- キャベツ:さっと茹でて和えると爽やか。
- 冷ややっこにも。

🍃 保存方法
- 清潔な瓶や容器に入れて常温保存。
- 湿気を避ければ1〜2か月程度は風味を保てる。
- 冷蔵保存すればさらに安心。
📚 メモ|FAQ
25gからでも作れますが少量で揉みにくいため、色が出にくいです。75g以上が安定しておすすめです。
洗って乾かした後の重さで計算するといいです。洗って直後の葉は水分をたっぷり含んでいるので実際の葉の量より多く見積もってしまいがちです。すると、塩辛いゆかりに仕上がってしまいます。
1回目は汁が黒くなるまで、2回目は香りが立つまで揉みます。色ムラがないか葉を広げてチェックするのもおすすめです。まだ葉が緑っぽい場合は長めに揉みます。
天日でパリパリになるまで干します。重ならないように広げるのがコツです。
作れます。赤じそほど色は出ませんが、爽やかな香りが楽しめます。
しっかり乾かして密閉すれば、常温で数か月保存できます。
📘 キッチンノート|つくり方のコツ & 青じそを使って
▶︎ 赤しその分量:
少ない量で作ると、揉む作業が難しくなって、色がしっかり出ないことが多い。だからできるだけ、最小限の作りやすい量(75〜100g)を守るといい。
もちろん少ない量で作っても美味しくできる。たとえ色が鮮やかに出なくても、それはそれでその年の思い出。
▶︎ 塩の分量:
赤しそを乾かした後に重さを測り、そのうちの10パーセントの塩を測る。
もし塩気が強い方が好みであれば、好みの量に増量する。もしくは、ふりかけができあがってから塩を混ぜて調節しても。
▶︎ 塩の種類:
塩は粗塩でも精製塩でも作れる。粗塩の方がまろやかな塩味で、精製塩はダイレクトな塩気のあるゆかりに。
▶︎ 減塩したい場合の工夫
減塩したい場合は、次の二つのいずれかの方法で対応できる。
- 梅酢を絞ってから干す
→ 塩分を控えめにしつつ、色と梅酢の風味はしっかり - 梅酢の量を減らす
→ 大さじ1程度までに抑えると、赤シソと梅酢の風味はほぼそのままに塩分をコントロール
色を大切にしたいか、塩分量をできるだけ減らしたいかによって選ぶといい。
▶︎ 赤しその乾かし具合:
赤しそを洗って乾かすときにはちょっとした観察が必要。
乾かしすぎても揉んだ時にポロポロと葉が崩れて色が出ないし、湿りすぎていても色が出ない。ちょうどいい感じ、パリパリでもなく湿った感じでもなく、その中間の少ししっとり柔らかい状態を目指して乾かす。
仕上げの乾燥は天日や風通しのよい場所でパリパリになるまで。
私はだいたい軒下でじっくり乾かして、取り込む前に直射日光に当ててパリッとさせることが多い。お天気に恵まれない時や急ぐ場合は、オーブンやトースターを使っても。最低温(80度前後)で数分+余熱で。焦げないように注意しながら。


▶︎ 色が出にくい場合:
発色が悪い場合は、葉が少なすぎる・乾きすぎている・揉み不足...といった理由が考えられる。揉む時間を長くしたり、梅酢を少し足してみたり、葉がまだ余っていれば追加したりして様子を見る。
何度か作ってみると要領がわかってくる。気楽に、トライ&エラー。
▶︎ 青じそを使って:
青じそを使っても同様に作ることができる。青しそは赤じそほど色が出にくく、鮮やかさに欠けるけれど、その爽やかな香りは、赤じそにはない夏の風味。
また、赤じそに比べて葉が柔らかく、アクもすくない。そのため作りやすいのも青じそならでは。

🎨 色で遊ぶ夏のレシピたち
🫙 季節の思い出を瓶に詰めて...
📖 レシピカード|分量・作り方のまとめ

手作りゆかりふりかけ
Equipment
- ボウル (しそを洗う・揉む用)
- ざる・キッチンタオル (水気を切る用)
- はかり (乾いたしその重さを量る)
- 保存瓶 (完成したふりかけの保存用)
- 麺棒またはすりこぎ (乾いたしそを砕く)
- 皿・ざる・干しかご・干しネット (天日・日陰干し、虫よけに)
- オーブンまたはトースター (雨の日や梅雨時の乾燥に)
Ingredients
- 赤じその葉 洗って水気を切り、乾かしてから計量する 100 g
- 塩 葉の重さの10% 10 g
- 梅酢 葉25gにつき大さじ1 大さじ 4
Instructions
- 洗う: 赤しそを茎ごとたっぷりの水で、揺するようにして洗い、水気をしっかり切る※茎を持ってワシャワシャと降ると水気が一気に落ち、気分もいい。100 g 赤じその葉
- 乾かす: 茎から葉を取り、皿やザルに並べる。風通しのよい場所で乾かす。※ 完全にパリパリではなく、少ししっとり残るくらいが揉みやすい。
- 測る: 乾いた葉を量り、その10%の塩を用意する。※ 計量は必ず「乾かした後」の葉で。10 g 塩
- 塩をまぶす: 赤しそに半量の塩を振り、雪化粧のようにまぶす。30分ほど置いて、水分が出るのを待つ。
- 揉み始める: 葉がしっとりしたら、黒っぽい汁が出るまで揉む※「押し出すように」揉むと香りと色がよく出る。
- 水切り: シソをしっかりと絞り、出てきた汁を捨てる
- 2回目の塩もみ: 残りの塩を加えて再度揉む。汁が出てきたらシソをしっかりと絞り、もう一度捨てる ※ 1回目は色を出す、2回目は香りを引き出すイメージで。
- 梅酢を加える: 赤しそ25gに対して梅酢 大さじ1を加える。全体に梅酢が行き渡るようにやさしく揉む大さじ 4 梅酢
- 一晩おく: 全体が鮮やかに発色したら、保存容器などに入れて冷蔵庫で一晩置く
- 皿に並べる: 翌日、葉を一枚一枚できるだけ広げて、皿やザルに重ならないように並べる
- 乾燥: 天日または風通しのよい日陰でパリッとするまで干す ※ 半乾きだと保存性が落ちるので、しっかりと乾燥させる※ 天日に干すと昔ながらの風合いに、日陰干しなら香り・色がやさしく残る ※ 天気が悪いときは、風通しのよい室内やオーブン・トースターの最低温(80℃前後で数分+余熱)でも。 焦げないように様子を見ながら
- 仕上げ: 乾いたしそを瓶に移し、麺棒などで砕く。香り高い赤しそふりかけの完成※ すりこぎを使うと細かく仕上がる。
Notes
- しその分量は洗って乾かしたあとで量ると正確
- 少量(25gなど)だと色が出にくいので、できれば75g以上がおすすめ
- 揉むときは強くつぶすのではなく、ぎゅっと水気を絞るように
- 塩は一度に全部でなく、半量ずつに分けて揉むと作業しやすい
- 乾燥は**天日干し・日陰干し・オーブン(60〜80℃)**どれでも可
- パリッと乾いたら麺棒ですりつぶして保存
💐 おわりに
今年の夏はたくさんの色で遊んだ。
完熟バナナで作った、淡い黄色のモチモチのバナナ白玉。
コモンマロウでやさしいピンク色をつけた寒天。
そしてこのふたつを真っ赤なスイカに盛り付けた、炭酸がシュワっと効いた爽やかなフルーツポンチ。
とっても鮮やかな夏の思い出ができた。
これから深まる秋は、何色に染まっていくだろう。

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