完熟梅で作る「減塩梅干し」のレシピ。冷蔵保存袋を使って冷蔵庫で仕込めば、梅・塩のシンプルな材料でも無添加の減塩梅干し作りが可能に。よくある梅酢の液漏れも、ちょっとした工夫で心配要らず。

✉️ 今年の梅仕事
塩分15-18%の基本の梅干作りに慣れてきたら、減塩梅干作りに挑戦。
まずは10-13%の塩分濃度で。慣れてきたら今度は、5%の減塩梅干作りも。
毎年必ず新しいことに挑戦してみる。毎年新しい発見があって飽きることのない梅仕事。
来年はどんな梅干づくりをしよう。できあがった梅干しを一粒一粒味わいながら、来年の計画を練ろうと思う。

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🧺 この「減塩梅干し作り」の特徴
- 材料は完熟梅と塩・白梅酢だけのシンプルなレシピ。
- 冷蔵保存袋を使って、カビ発生のリスクを軽減。
- 塩辛いのが苦手でも楽しめる減塩梅干し。
🍑 必要な材料 & 道具
▶︎ 材料
- 完熟梅 500g: 必ずよく熟れたもの。硬いもの青いものは梅酢が上がりにくくカビ発生の原因になることも。追熟の方法は基本の梅干し作りで。
- 粗塩 50g : 精製塩ではなく、ミネラルが含まれたものを使用。詳しくは塩の選び方で。
- ホワイトリカーまたは焼酎 / 梅酢 大さじ2:梅酢を上がりやすくする効果がある。
📝 詳しい分量は一番下のレシピカードで確認を👇

▶︎ 道具
➤ 準備用
- ボウル (梅を洗う用)
- 皿 または ザル (梅を乾かす用)
- キッチンペーパー
- 包丁
➤ 保存用
- 冷蔵保存袋 Mサイズ
- 保存容器 (液漏れ防止用・重石用)
📖 つくり方

- 洗う:
- 完熟梅は水で優しく洗い、表面の汚れを落とす。

- 乾かす:
- 皿やザルに梅を移して、よく乾かす。キッチンペーパーで水分を拭き取ると乾きが早い。

- 削ぐ:
- 傷んでいる梅はその部分を包丁で削ぎ落とす。
- ヘタも竹串や包丁の先などでとり除いておく。

- まぶす:
- 梅を冷蔵保存袋に入れて、塩と白梅酢または焼酎・ホワイトリカーをまぶす。

- 混ぜる:
- 袋を軽く閉じたら、袋の上から梅を転がすようにして材料を混ぜ合わせる。
- 塩が梅の表面にしっとりとまとわりついたらOK。

- 重石をする:
- 袋の閉じ目を上にして、プラスチック容器に入れる。
- 梅の分量の1-2倍の重石(同じサイズまたはひと回り小さい保存容器に水を入れたもの。梅全体に均一な重みがかかり理想的)をして冷蔵庫で保管する。
- 梅酢が上がり切るまで一日に一回裏返す。

- 待つ
- 梅酢が上がりきったら、重石を半分の量に減らす。
- 7月20日から8月7日頃の夏土用(年間で最も暑く、日差しが強い時期)まで漬け込んでおく。
🌿 梅をつけ始まってから少なくとも1ヶ月ほどつけると、塩が梅の実に行き渡り、皮がしまってくる。その時までじっくりと待つのがポイント。

- 干す
- 1日目・2日目は夜は室内へ。
- 3日目の夜は軒下に出したまま夜露に当てると、しっとり皮が柔らかく仕上がる。
🌿 干す間は、梅一粒一粒の表面をまんべんなく乾かすため、上下をひっくり返すことを忘れずに。朝外へ出すときにひっくり返すと、網からはがれやすく、皮が破けるのを防ぐことができる。

- 保存する
- 4日目の朝に、干し終えた梅を清潔な保存容器に移して冷蔵保存する。
- 1ヶ月ほど熟成させたらできあがり(すぐに食べることもできるが、熟成させると塩気がマイルドに)。
🌿 保存容器は陶器やガラス製がおすすめ。

🥣 覚えておきたい道具づかい
- 酸に強い容器(陶器・ガラスなど)を使う
- 金属製の包丁や器具は使ったらすぐに洗う
📌 保存のコツ
- 長期保存:減塩梅干しはカビの発生を防ぐために冷蔵保存を。
- 目安:おおよそ半年〜1年で食べ切る。
📓 キッチンノート|梅酢あり・なしでの仕上がり比較メモ
■ 比較した条件
今回、4パターンの漬け方で仕上がりの違いを観察した。
- 梅酢 大さじ2
- ホワイトリカー 大さじ2
- 梅酢 大さじ1
- 液体なし(塩のみ)



■ 仕上がりの柔らかさ
比較したところ、柔らかい順に並べると次のようになった。
- 梅酢 大さじ2 ← 一番柔らかい
- ホワイトリカー 大さじ2
- 梅酢 大さじ1
- 液体なし ← 一番硬い

干す前(柔らかい→硬い)

干した後(柔らかい→硬い)
■ 気づき(塩のまわり方・梅酢の上がり方)
梅酢を使うと、塩のまわりが早く、一番やわらかく漬け上がる。
一方、液体なしの場合は重石を増やしても梅酢が上がりにくく、硬いままの状態が続いた。完熟度も影響するが、液体の有無が仕上がりを大きく左右することがわかった。
■ 液体なしの場合の注意点
梅酢もアルコールも使わないと、塩漬けになるまでかなり時間がかかる。
- 重石を増やしても改善は限定的
- 今回も2ヶ月経ってもまだ硬さが残る状態
この方法を選ぶ場合、根気強く長期戦を覚悟して、冷蔵庫でじっくり見守るのがよさそう。

■ 減塩梅のゆっくりした変化
梅干し作りでは、塩が芯まで届くまでに時間が必要。
冷蔵庫で最低1ヶ月は寝かせると安心。たとえ梅酢の上がりが早くても、それだけで完成にはならない。内部まで塩が行き渡るには、長い時間がかかることを頭に入れて梅仕事の計画を。
■ 仕上げのタイミング
急ぎたい時は、柔らかくなったものから少しずつ天日干しするのがおすすめ。
1週間、2週間と、硬かった梅が少しずつ変わっていく姿は、毎日観察するほどに楽しいもの。天気や梅の状態に揺れながら、自分の心の動きにも気づくような時間に。
🌿まとめ
梅干しづくりは、液体(梅酢やアルコール)を使うことで仕上がりが格段にスムーズになる。減塩の場合は特に時間をかけて熟成させることが大切。焦らず、梅の変化を楽しみながら向き合うのが、おいしい梅干しへの近道。
📚 梅仕事メモ|Q&A
傷がついているのも使うことができる。茶色く傷んでいる場合はその部分を包丁で削いで漬ける。傷みを削いだ梅は漬けている間も、天日干しする間も崩れやすいという欠点がある。それと同時に、梅酢があがりやすいという利点も。一長一短だから、その年の気分や忙しさによってどうするか決めるのがおすすめ。
塩を10%以下に減らすと、仕込んでいる最中に冷蔵保存していてもカビやすくなる。より減塩したい場合は、砂糖を加えて保存効果を高める方法がひとつの案。
減塩は早めにつけて必ず土用の日に干すようにしている。理由は、冷蔵庫がいつまで経っても梅干しに占拠されたままになってしまうから。逆に塩分濃度が高いものは後回しにして、秋までじっくりつけておき、ゆっくりと秋の柔らかな日差しで干す。そうすると皮が破れることも少なくふっくらとおいしく仕上がる。
傷梅を使ったり、梅の熟度が高かったりすると濁りやすい。濁っていても味に問題はないことが多いが、気になる場合は清潔な布で漉してから保存すると◎。
保存容器に水を入れて重石にするだけでなく、砂糖袋やお皿なども使うことができる。複数袋で梅をつける場合は、それぞれを重ねることで重石代わりにしても。
🫙 白梅酢を使って
🕊 その他の梅仕事レシピ
シンプルな梅シロップ作りから、残り梅を使ったレシピまで:
☀️ 梅干を使ったレシピ |夏バテ対策にも
食欲がない時に:
✏️ レシピカード|分量・作り方のまとめ

減塩梅干の作り方|塩分10%・冷蔵保存
Equipment
- ボウル (梅を洗う用)
- 皿 または ザル (梅を乾かす用)
- キッチンペーパー
- 包丁
- 冷蔵保存袋 Mサイズ
- 保存容器 (液漏れ防止用・重石用)
Ingredients
- 完熟梅 500 g
- 粗塩 50 g
- 白梅酢 または ホワイトリカー または 焼酎 大さじ 2
Instructions
梅の仕込み作業
- 洗う: 完熟梅は水で優しく洗い、表面の汚れを落とす。500 g 完熟梅
- 乾かす: 皿やザルに梅を移して、よく乾かす。キッチンペーパーで水分を拭き取ると乾きが早い。
- 削ぐ: 傷んでいる梅はその部分を包丁で削ぎ落とす。ヘタも竹串や包丁の先などでとり除いておく。
- まぶす: 梅を冷蔵保存袋に入れて、塩と白梅酢をまぶす。大さじ 2 白梅酢50 g 粗塩
- 混ぜる: 袋を軽く閉じたら、袋の上から梅を転がすようにして材料を混ぜ合わせる。塩が梅の表面にしっとりとまとわりついたらOK。
- 重石をする: 袋の閉じ目を上にして、平らな保存容器に入れる。梅の分量の1-2倍の重石(同じサイズまたはひと回り小さい保存容器に水を入れたものを用意。梅全体に均一な重みがかかり理想的)をして冷蔵庫で保管する。※ 梅酢が上がり切るまで一日に一回裏返すのを忘れずに。
- 待つ: 梅酢が上がりきったら、重石を半分の量に減らす。7月20日から8月7日頃の夏土用(年間で最も暑く、日差しが強い時期)まで漬け込んでおく。
梅干しを干す
- 干す: 1日目・2日目は夜は室内へ。3日目の夜は軒下に出したまま夜露に当てると、しっとり皮が柔らかく仕上がる。※ 干す間は、梅一粒一粒の表面をまんべんなく乾かすため、上下をひっくり返すことを忘れずに。朝外へ出すときにひっくり返すと、網からはがれやすく、皮が破けるのを防ぐことができる。
- 保存する: 4日目の朝に、干し終えた梅を清潔な保存容器に移して冷蔵保存する。1ヶ月ほど熟成させたらできあがり(すぐに食べることもできるが、熟成させると塩気がマイルドに)。※ 保存容器は陶器やガラス製がおすすめ。
Notes
▶︎ 梅は完熟梅を
まだ未熟な青い梅、硬い梅は梅酢が上がりにくい。だから必ず完熟梅を使うこと。- 梅同士が重ならないように皿やザルに並べる。
- 風通しの良い冷暗所において数日待つ。
- 余裕があれば、一日に一回上下をひっくり返すと、湿っぽくならずにすむ。



















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