砂糖を使わずにふっくら仕上がる、基本の小豆の煮方をご紹介します。
「渋切り(アク抜き)は本当に必要?」「鍋と圧力鍋、どちらで煮るといい?」「煮汁はどう活用できる?」──この記事ではそんな疑問にも答えながら、失敗しにくい小豆の煮方を丁寧にまとめました。

無糖の小豆煮の活用方法
無糖の小豆煮は、オートミール粥やかぼちゃの小豆煮など、甘い料理から塩味のおかずまで幅広く活用できます。冷凍保存も可能なので、たっぷり作っておくととても便利です。
また、この無糖の小豆煮をベースにすれば、つぶあんやお汁粉などの和菓子作りにも応用できます。自分好みの甘さで楽しめるのがなんといっても手作りの魅力です。
🌿 これらの小豆レシピを一覧にまとめた小豆を使ったレシピまとめもぜひ参考になさってください。
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🫘 材料

- 乾燥小豆 200g
- 水 適量
👇 詳しい分量は記事下部のレシピカードをご覧ください。
🕵️ 小豆の渋切り(アク抜き)は必要?
小豆を煮るときに多くの人が迷うのが「渋切り(アク抜き)」をするかどうか。結論としては、完全に好みや用途によって好きに選べるです。
小豆の風味や栄養をそのまま残したい場合は、渋切りをせずに煮ます。一方で、すっきりした味わいや雑味の少ない仕上がりにしたい場合は、一度渋切りをするのがおすすめです。
🌿 実際、有名な井村屋の小豆バーも独自の煮あずき製法で渋切りをせず、小豆の栄養素や風味を活かしているそうですよ。
▶︎ 渋切りのタイミング(基本)
このレシピでは、渋切りを行うタイミングは主に2回あります。
- 1回目:小豆を沸騰したお湯で5分ほど煮た後。ここでザルにあけて、アクを落とします。
- 2回目:「シワ伸ばし」が終わり、小豆を30分蒸らした後。煮崩れしやすい段階なので、栄養を残したいときはスキップしてOKです。
🌿 さらに雑味を抑えたい場合は、「シワ伸ばし」の途中の早い段階で(5〜10分ほど煮た頃)にもう一度渋切りするのも。
▶︎ 用途に合わせたおすすめの方法
用途や仕上がりに応じて、渋切りをする回数を変えてみてください。以下は私の渋切りマニュアルです。
- あんこ・お汁粉など甘い和菓子 → 渋切りせずそのまま煮ることが多い
- 小豆粥・塩味のおかず → 1回目の渋切りのみ行うとすっきりした味わいに
- 自分用と贈答用で使い分け → 自宅用は無渋切り、贈り物には渋切りをして雑味を抑える
渋切りを重ねるほど澄んだ味わいになりますが、その分風味や栄養も抜けてしまいます。何度か試して、ご自身の好みに合う「小豆の煮方」を見つけてみてください。
🥣 作り方

- 鍋を用意する:
小豆がしっかり浸かる大きめの鍋を用意する。
🌿 小豆は膨らむため、余裕のあるサイズがおすすめ。

- 小豆を洗う:
水600mlを沸騰させ、乾燥小豆200gを流水で洗って加える。(表面の汚れを落とす下ごしらえ)

- 5分煮る:
強火で沸騰させた後、中火に落として5分ほど煮る。

- 水を加える or 渋切り:
水300ml~(鍋の水の温度が50℃以下になるくらいの量) を加え、もう一度強火にかけて沸騰させる。
🌿 ここで加える水(びっくり水)は、温度を50℃以下まで下げることが目的。加熱ムラが減り、煮上がりが早くなる。
🌿 渋切りする場合は、ここで一度ザルにあけて湯を切る。新しい水600mlを鍋に入れ、小豆を戻す。

- 蒸らす:
火を止めて蓋をし、30分蒸らす。
🌿 炊飯器で作る小豆粥(塩味)の小豆の下茹ではここまでで、あとは炊飯器にお任せ。
🌿 同様に、圧力鍋で仕上げる場合もここまで。続きは『圧力鍋で小豆を煮る場合』を参照。

- ザルにあける:
一度ザルにあけて水を切る。この時、鍋についた渋を水で洗い流しておくと◎。
🌿 ここで再度渋切りするかは好みに応じて。栄養素を逃したくない or 小豆の風味をしっかりと楽しみたい場合は、茹で汁を捨てずに次のステップへ。

- 水を入れる:
鍋に水約800~1000mlを入れ、小豆を戻す。
🌿 豆の状態や火加減によって煮え具合が変わるため、心配であれば少なめの水から始める。特に新豆の場合は煮え上がりが早くなるので注意。

- 煮る:
再度強火にかけ、沸騰したら小豆が躍るくらいの火加減に落とし、小豆が柔らかくなるまで煮る。途中水が少なくなってきたら必要な分だけ足して煮る。
🌿 小豆が水から顔を出さないように水分を調節するのがポイント。

- 煮え具合をチェック:
途中、小豆の煮え具合をチェックする。
🌿 小豆の種類や収穫された時期などによって煮える時間が変わってくるため、こまめにチェックする。

- 潰して確認する:
何粒か(色が濃いもの〜薄いもの)小豆を手にとって、指で潰してみる。どの小豆もすんなり潰れたら次のステップへ。

- 蒸らす:
再度蓋をして30分以上蒸らす。そうすることで小豆が水分を吸収し、ふっくら仕上がる。

- 蒸らす前(BEFORE):
蒸らす直前の様子。まだ水っぽさがある。

- 蒸らした後(AFTER):
30分置いた後の様子。さらに豆が水分を吸ってふっくらしている。時間があれば一晩置いても(夏場は冷蔵庫で)。

- 保存する:
できあがった小豆煮。保存容器に入れて冷蔵保存する。
☝️ 小豆煮で大切な「シワ伸ばし」
芯の残らないふっくらとした小豆煮を作るために欠かせない工程が「シワ伸ばし」です。豆の皮がピンと張り、一粒ずつがふくらんだ状態になるまで加熱することが大切です。

上の写真の中央にある豆は皮のシワがなく、表面がピンと張っています。これはシワ伸ばしが完了したサインで、蒸らしの工程へ進んでOKのサインです。
一方で、写真の外側にある豆はまだシワが残っています。この段階で火を止めてしまうと、芯が硬いままの小豆が混ざり、煮えムラのある仕上がりになってしまうことがあります。
大切なのは「一粒ずつがふっくら張った状態になるまで観察する」こと。少し面倒に感じるかもしれませんが、ここを丁寧に見極めることで、最後まで柔らかく美味しい無糖の小豆煮に仕上がります。
♨️ 圧力鍋で小豆を煮る場合|時短バージョン
圧力鍋を使うと、短時間でふっくらと仕上げることができます。
基本の下ごしらえ【6.蒸らす】までは、通常の鍋で煮るときと同じです。
手順は以下の通りです:
- 鍋で煮るのと同じ手順で、【6.蒸らす】まで行います。
- ザルにあけて水気を切り、圧力鍋に移します。水を約250~300ml(小豆がちょうどかぶる程度。煮汁を再利用しても◎)加えます。
- 強火にかけ、圧がかかったら弱火にして約2分加熱し、火を止めます。
- 圧力が自然に下がるまでそのまま蒸らせば完成です。
🌿 煮上がった直後は小豆が崩れやすいので、粗熱がとれるまでしばらく置いておくと、形がよりきれいに保てます。
🥄 道具
- 大きめの鍋
- 鍋の蓋
- ザル
🫙 保存方法と期限
冷蔵保存だと密閉容器に入れて3-5日以内に食べ切ります。冷凍保存する場合は、ラップに包んで小分けにし、2ヶ月を目安に食べ切るのがオススメです。
💭 よくある質問
浸水しなくていい豆にはレンズ豆、皮なしのウラド豆などがありますが、小豆もそのうちの一つです。特に小豆は皮が固いため、浸水させても水を吸収しにくい豆です。そのため浸水せずに、いきなり沸騰したお湯に入れることで、皮を先に柔らかくします。そうすると、一気に吸水が進み、他の豆に比べて比較的短い時間で柔らかく煮上がります。
鍋で煮ると時間はかかりますが、水分を自分で調節しながら煮ることができため、豆の一粒一粒にほどよい歯ごたえを残すことができます。そのため、おはぎやぜんざいなど、豆の粒感を楽しみたい場合に向きます。一方で、圧力鍋を使うと、短時間でふっくら柔らかく仕上がります。お汁粉やあんこ用に向いています。用途や好みによって使い分けるのがおすすめです。
渋切りした煮汁は、小豆茶としていただくことができます。小豆を煮た後の煮汁にはほんのり甘みと豆の旨味が残っているため、あんこ作りやお汁粉作りに使ったり、煮物やスープの水分として使ったりするのがおすすめです。
一粒一粒のシワがしっかり伸びるまで煮ないと、芯まで火が通らず、煮上がりに硬さが残ってしまいます。
鍋で煮る場合も圧力鍋で煮る場合も、下ごしらえでしっかりシワを伸ばしておくと、仕上がりが安定します。
渋切りは、えぐみや渋みをやわらげるために行う工程です。ただし、最近のやわらかく質の良い小豆では、煮る過程で自然に渋が抜ける場合もあると言われています。何度か作ってみて用途や好みに合わせた自分なりのアク抜き回数を見つけてみてください。
STEP4で水を加えて鍋の水の温度を50℃以下まで下げると、加熱ムラが減り、煮上がりが早くなります。びっくり水を加える代わりに渋切りを行う場合は、ザルにあけることで温度が下がるため、特に心配はありません。
👨🏻🍳 無糖の小豆煮を使ったレシピ
デザートから食事まで使い道色々。より多くのレシピは小豆を使ったレシピまとめをご覧ください:
🧑🏾🍳 最新のヴィーガンレシピ
旬のヴィーガンレシピです:

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📖 レシピカード

ふっくら無糖の小豆煮|鍋でも圧力鍋でも
Equipment
- 鍋
- 鍋の蓋
- 圧力鍋 オプション
- ザル
Ingredients
A 煮る(1回目)
- 小豆 200 g
- 水 600 ml
- 水 差し水用 300~ ml
B 煮る(2回目): 鍋バージョン
- 水 目安 800~1000 ml
- 水 差し水用 適量
B 煮る(2回目): 圧力鍋バージョン
- 水 小豆がかぶる程度 250~300 ml
Instructions
A 煮る(1回目)
- 600 ml 水を鍋に入れて沸騰させる。
- 沸騰したら、200 g 小豆をザルに入れ、流水でさっと表面の汚れを洗い流し、鍋に加える。
- 強火で沸騰させたら中火にし、5分煮る。
- 300~ ml 水を入れ※再度強火にする。沸騰したら中火にして小豆の一粒一粒のシワが伸び切るまで約15-20分煮る(シワ伸ばし)。※渋切り(アク抜き)をしたい場合は、差し水の代わりにザルにあけて一度渋を落とし、新しい水で再度煮る。
- 火を止めて蓋をし、30分蒸らす。
B 煮る(2回目): 鍋バージョン
- 小豆をザルにあけ、水を切る。※栄養素や小豆の風味を逃したくない場合は、煮汁を次の行程で再利用する。
- 鍋を水でさっと洗い、渋を落としてから、800~1000 ml 水と小豆を戻して強火にかける。※豆の状態や火加減によって煮え具合が変わるため、心配であれば少なめの水から始める(特に新豆の場合は煮え上がりが早くなるので注意)。その場合、途中豆が水から顔を出さないように差し水をしながら煮る。
- 沸騰したら、小豆が躍るくらいの火加減に落とし、小豆が指ですんなり潰せる柔らかさになるまで煮る。
- 火を止めて蓋をし、30分〜一晩蒸らす。
- 清潔な保存容器に入れて冷蔵保存する。
B 煮る(2回目): 圧力鍋バージョン
- 小豆をザルにあけ、水を切る。※栄養素や小豆の風味を逃したくない場合は、煮汁を次の行程で再利用する。
- 圧力鍋に小豆を入れたら、小豆がかぶるくらい※の水(約250~300 ml 水 または 煮汁)を入れる。※小豆の高さと同じくらいの水位で、材料の表面がちょうどつかるくらいの状態。
- 蓋をして強火にかけ、圧力がかかったら弱火にして約2分加熱する。
- 圧力が下がるまで蒸らす。※出来立ては小豆が崩れやすいため、小豆の粒を残したい場合は粗熱が取れるまでは触らないようにする。
- ザルにあけて水を切る。続けてつぶあんやお汁粉を作る場合、煮汁も取っておく。
- 清潔な保存容器に入れて冷蔵保存する。
さて、「無糖の小豆煮のレシピ」いかがでしたでしょうか?
一度覚えれば炊飯器で作る小豆粥も簡単に作れてしまいます。ぜひあわせてお試しください🕊

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アンコ says
うまく煮えました!