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蒸し器を使った、昔ながらの田舎の柏餅の作り方。
子どもの頃、おばあちゃんと一緒に作った大好きな柏餅を、思い出と一緒に。
変わらない手作りのおいしさ。

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📺 私の柏餅
私の祖母は、お料理があまり上手ではなかった。
ぶつぶつと切れる手打ちうどん。
酸っぱすぎた白菜の漬物。
ぽさぽさの八頭の煮物。
どれも少し不格好で、
今でも舌がその味をちゃんと覚えている。
忘れられない味の数々。
柏餅も、そのひとつだ。
5月の中旬になると、学校から家に帰るのが楽しみだった。
勝手口の換気扇から風に乗って運ばれてくる
蒸した米と柏の葉の香り。
台所では祖母が、上新粉に熱湯を少しずつ加えながら、箸で粉をぐるぐると混ぜていた。
まだ熱いうちに手でしっかりとこね、手早く生地を伸ばしていく。
できるだけ少ないお湯で作るから、皮は薄く、中にはあんこがたっぷり。
できたては熱々で、お米の風味がしっかり。
舌の上でざらつく感じがたまらない、昔ながらの田舎の柏餅だ。
だけど時間が経つと、すぐ固くなる。
だから湯気の立つうちに、フーフーしながら
夢中になって頬張った。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
お腹いっぱいになるまで食べた、あの柏餅。
今でも何度も作り続けている、
私の大好きなあの味。

🌿 思い出の味シリーズ:昔ながらのおはぎ、きな粉と黒胡麻のおはぎ、
🧺 このレシピの特徴
祖母が作っていた、少ない水分で作る昔ながらの田舎風柏餅と、翌日でもやわらかなモチっと食感の柏餅。
加えるお湯の量で変わる、2通りの仕上がり。
- 選べる2種類の食感:歯切れの良い昔ながらの柏餅と、翌日までやわらかなモチっと食感
- 甘さ控えめのつぶあん:上新粉の風味を引き立てる、控えめな甘さ
- 薄皮であんこたっぷり:皮を薄く伸ばして包む、食べ応えのある田舎風柏餅
🌿 材料

- 柏の葉:取りたての柏の葉を使って。我が家の柏の木は5月下旬ごろになると、葉に厚みが出てしっかりとしてくる。それ以前の若い葉は、色鮮やかでやわらかく、やや破れやすいけれど、もちろん同じように作ることができる。使う前に、表面の汚れやほこりを軽く洗い流し、水気を切っておく。
- あんこ:祖母のレシピとは違い、甘さ控えめの手作りつぶあんを使用。乾燥小豆200gに対して150g(75%)の砂糖を加えて練ったつぶあんを使っている。今回使用するのはその¼量(約160g)。
市販のあんこを使う場合は、もし水っぽければ一度鍋に移して弱火にかけ、焦げないよう混ぜながら水分を飛ばしてから使うと包みやすい。 - 上新粉:普段食べている白米(うるち米)を挽いた粉。粘りが少なく、歯切れが良いのが特徴で、冷めると固くなりやすい。うるち米ともち米が混ざった団子粉でも作れるけれど、よりモチっとした仕上がりになる。今回使ったのは、業務スーパーで購入した前原製粉の上新粉。ブランドによって粉の挽き具合や米の品種が異なるため、必要な水分量や仕上がりの食感にも違いが出る。
- 熱湯:必ず沸騰したてのものを。お餅作りでは、熱湯によって上新粉のでんぷんを糊化させることが大切で、ぬるいお湯だと生地がまとまりにくくなる。
- 塩:餅生地に、ほんの軽くひとつまみ。
詳しい分量・作り方のまとめは、一番下のレシピカードで👇
💧 水分量で変わる柏餅の食感
祖母の柏餅は、できるだけ少ないお湯で作る柏餅だった。
皮は薄く、お米の風味が濃い。
そのかわり、時間が経つとすぐ固くなる。
私はつい、お湯を多く入れてしまう。
そのほうが生地が柔らかくなめらかで、あんこが包みやすいからだ。
だから祖母の柏餅より、翌日までやわらかい仕上がりになる。
このレシピでは、どちらも作れるようにした。
- 上新粉の60%の熱湯:歯切れの良い、昔ながらの田舎風柏餅
- 上新粉の80%の熱湯:翌日までやわらかな、モチっとした仕上がり
- 70%前後:その中間くらいの食感
同じ上新粉でも、水分量によって仕上がりは大きく変わる。
好みで選んでみて。
🌿 米の品種改良のせいもあってか、昔に比べると全体的にモチっと仕上がりやすく、翌日になっても固くなりにくくなっているようにも感じる。昔のあの歯切れのいい柏餅は、年々味わえなくなっていくのかな、とも思う。
🥣 蒸し器のこと
柏餅作りに欠かせない蒸し器。
この直径30cmの蒸し器は、私の祖母が使っていたもので、
柏餅が一気に15個はできあがるであろう大容量。

柏餅を蒸す際は、蓋に布を被せて、水滴が餅に落ちないようにしている。
水滴で餅の閉じ目が開き、あんこが漏れ出してしまうことを防ぐためだ。
柏の葉が大きい場合は、葉が水滴を防いでくれるので、布がなくても大丈夫なことが多い。
いちご大福の餅作りでも、同じように蓋には必ず布を被せている。
反対に、トロッとしたバナナ餅を作る時は、あえて餅に水滴を落とす。
蒸気の水分が加わることで、とろりとやわらかな食感になるからだ。
同じ蒸し器でも、水滴を避けるか、落とすかで仕上がりは大きく変わってくる。
▼ 蒸し器を使った料理 (👉一覧)
📖 作り方
皮づくりは、手早く進めるのがポイント。
熱湯を加えてから時間が経つと、生地の水分が手に取られて扱いにくくなっていく。
生地が温かいうちに、餡を包むところまで進めるときれいに包みやすい。
また作業を始める前に、昔ながらの歯切れの良い柏餅にするのか、翌日までやわらかな柏餅にするのか決めておくと、水分量に迷わず進められる。

- 練る
- 粉全体に水分が行き渡ったら、手でよくこね、生地をまとめる
🌿 表面がなめらかになり、握ると指の跡が残るくらいまで。

- 丸める
- 生地を4等分して丸める。
🌿 包む作業の間に生地が乾かないようにボウルに濡れ布巾や皿を被せておく。

- 生地を伸ばす
- 生地を手に取り、できるだけ薄く丸く伸ばす
🌿 手で触っている時間が長いと、水分が手に吸い取られて扱いにくくなっていく。できるだけ手早く伸ばすのがポイント。

- あんこをのせる
- あんこの¼(約40g)を中央にのせる

- 包む
- 生地を半分に折り、あんこを包む
🌿 閉じ目をしっかりと閉じるのを忘れずに

- 柏の葉で包む
- 柏の葉をツルツルした面を上にして手に取る
- 葉の上半分に餅を置き、半分に折るように包む

- 蒸す
- 蒸し器に包んだ餅を並べる
- 蒸気の上がった蒸し器で10分ほど蒸す
- 餅に透明感が出てきたら蒸し上がり
🌿 蒸し上がると、柏の葉の鮮やかな緑が少し落ち着き、葉の香りが立ってくる


📘 固くならない保存方法と日持ち
柏餅は、生地にどれだけ水分を入れるかで、翌日の食感も変わってくる。
冷蔵庫に入れると餅が固く締まってしまうため、保存する場合は涼しい場所での常温保存がおすすめ。
時間が経って少し固くなった場合は、表面を軽く水で濡らしてからラップをし、600Wで20〜30秒ほど温めると、やわらかさが戻りやすい。

📚 FAQ
5月の端午の節句前後になると、製菓材料店や大型スーパーの製菓コーナー、ネットショップなどで購入できます。
乾燥や塩漬けの柏の葉もあり、それらを使えば季節を問わず柏餅を作ることもできます。
柏の木が自生していなかった西日本では、昔からサルトリイバラの葉で代用してきたそうです。
もちろん葉なしでも作ることはできますが、葉の香りがないと、少し物足りない柏餅になります。
柏の葉は食べられますが、基本的には香り付けや乾燥防止のために使われるものなので、食べずに外して食べることが多いです。
塩漬けの葉は特に硬く、筋も多いため、そのまま食べるにはあまり向いていません。
上新粉はうるち米から作られているため、時間が経つとでんぷんが老化し、固くなっていきます。
特に冷蔵庫に入れると急激に固くなりやすいため、常温保存がおすすめです。
上新粉はうるち米のみを挽いた粉で、歯切れの良い食感が特徴です。
一方の団子粉はもち米が混ざっていることが多く、よりモチっとやわらかな仕上がりになります。
代用自体はできますが、製菓・製パン用の米粉は上新粉より粒子がかなり細かいため、同じ配合では生地がやわらかくなりやすく、扱いにくくなることがあります。
柏餅らしい歯切れの良さやお米の風味を出すには、上新粉がおすすめです。
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✏️ レシピカード

昔ながらの柏餅の作り方
Equipment
- 蒸し器
- 布 蒸し器の蓋に被せる用
- ボウル
- 菜箸
Ingredients
- 上新粉 125 g
- 塩 軽くひとつまみ
- 熱湯 好みの食感に合わせて調整 75~100 ml
- つぶあん 一個40g 160 g
- 柏の葉 4 枚
Instructions
下準備
- つぶあんを4等分(約40gずつ)にしておく。160 g つぶあん
- 柏の葉を洗い、表面の汚れやほこりを落として水気を切っておく。4 枚 柏の葉
生地作り
- ボウルに上新粉と塩を入れ、箸でよく混ぜる。125 g 上新粉軽くひとつまみ 塩
- 熱湯を少しずつ加えながら、箸で素早くぐるぐると混ぜる。75~100 ml 熱湯
- 粉全体に水分が行き渡ったら、手でよくこねて生地をまとめる。
- 生地を4等分して丸める。
包む
- 生地をできるだけ薄く丸く伸ばし、生地の中央にあんこをのせる。
- 生地を半分に折り、閉じ目をしっかり閉じながら包む。
- 柏の葉のツルツルした面を内側にして餅を包み、蒸し器に並べる。
蒸す
- 蒸気の上がった蒸し器で約10分蒸す(中強火〜強火)。
- 餅に透明感が出てきたら蒸し上がり。
Notes
- 冷蔵保存すると固くなるため、涼しい場所での常温保存がおすすめです
- 温め直す場合は、軽く水で濡らしてラップをし、600Wで20〜30秒ほど加熱します

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